憧れ

あの頃
母の箪笥の上 乗っかってる飾り棚に
瞳は釘づけだった
和服姿の人形や 鋳物に木彫り
それぞれが くっついたり離れたり
硝子戸を隔てて わたしを見下ろしていた
ショーウィンドウを覗くように
伸びあがって
時には椅子をはこんで
硝子を開けたり
そっと 手に取ってみたりした

母と過ごしたあの部屋へ
眼を閉じれば 出掛けて行ける
子供には広い畳の部屋 大の字で寝そべった
背高のっぽの姿見に わたしが半分映っていた
重い金具取っ手の箪笥と
開け放した窓
ぐるっと周って覗くお陽さま
わたしの好きなものばかりだった
そして
見上げれば あの飾り棚

今はもう背が届くよ
そっと覗いたら
空っぽだ……
呆気にとられて目が覚めた
見慣れたライトが光っている
見上げれば 飾り棚だ

ああ そこに居たんだね

あれから
母から譲り受けたいくつか
わたしの棚で外を視ている

ああ あの部屋に戻りたいね
わたしだって……

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