想いは尽きぬ

改札南出口のアーケードを背にして 記憶のなかの輪郭に 眼をこらす ちいさな 見覚えのあるシルエットが 見遙かす おぼろげに揺れている アイビーの蔦が 沿う先を探し 宙を泳ぐように はやく はやく やわらかな可愛らしい 両手 指先ピンッと伸ばし 息弾ませて 辿り着く わたしの襟元に するりと巻き…
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生きることの

あぁ なんて チカラが入っているんだろう 傷つかないための? 後悔しないための? からだのどこかしこ とにかく チカラが入っている。 今日は風がつよくて 紫の 長く長く伸びたハーブの花が、 カーボーイが投げたロープのように 花穂をくねらせている あんなに細くて ちっとも千切れないのだ 太極拳をならう カ…
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希望 ふたたび

希望がたりない。 ぼんやり判らなくなっていた。 『希望』  探しものは それです。 『希望』  駅の遺失物預かり所の暗がりで、  はやく 迎えにきて って。 『希望』  声に出してみて おどろく。  ほのかに 胸のなかで灯り瞬く。  ことばのちから。 生きていくのがつまらなく、 曇天ばかりなら…
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ねぇ アイス食べよう

真夜中に、 むかしの友からメールが届く。 「また 書き始めました。」 読めば読むほどに 迷路へ入っていく。 問うている 自らに。 震災で逝ってしまった友達と 最後の珈琲。 聴けなかった言葉。 読めなかった別れ。 夕暮れ ソファーで パズルに苦戦していた主人。 逃れたい心持ち 足首には重い鎖。 (う…
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うたた寝のゆくえ

うたた寝は いつも確信犯 ふとんより ソファーが心地いいって。。。 眠る気まんまん 窓ガラス越し 真夜中の四ツ角公園は、 主役のはけたステージ。 街灯に照らされた中央を、 湿った風が渡っていく。 ヒーローもヒロインも  瞳を閉じて夢をみている。 遠く 水田で蛙が喉を鳴らしている。 木の葉が風と遊ぶたん…
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いま ひとときの残像を

朝御飯もそこそこに、 お医者さまの往診さながら。 「どんな具合ですか。」 おでこを近づけて 顔色をうかがう。 「明日まで、様子をみますか…。」 回診は 日に幾度も。 春花の 鉢を空けるのはなかなか。 「もぅすこし、咲いて居たいですか……。」 苺のジャムクッキーだったデイジーも、 裁縫箱の待ち針みたい。  …
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なかなおり

“いつか”、 ためらいも忘れるくらい わたしの声が聴きたくなって。 想いのまま電話してきて。 ずいぶんと長い間、 その 頼りない“いつか”を 眠りに落ちるまでのしばらく、 薄明かりの天井に散らかしていたっけ。 けたたましく着信音が鳴り響いて、 メールは豪雨予想を知らせてくれたけど、 カミナリはもぅとっくにやって…
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おぼろげでいて たしか

ひんやり 刷りたての新聞を小脇に 足もと ガザレアが首をもたげて光を探っている 咲こうか 咲くまいか しゃがんで 「おはよう}って言うと、 腕に背中に たんたんと梅雨は降りてくる そんなに嫌いでもないよ 雲がたちこめた空でも お盆に乗せたようなこんもりお山  鈍色に映る鏡田 ジオラマ360° ガタン ゴトン …
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ゆるやかに 舵をとる

夕暮れ 「スマホに替えたよ」 って、 八十を追い越した母の声 とどく 晴れた日は 家じゅうの窓を開けて かならず 風を呼んでいた 気配を追えば とりどりに散らかして 静かに 花を生けていた タライをならべ 手洗いをしてから 洗濯機に入れて洗うよに 丁寧に 暮らしを 積んでいた 思い起こせば…
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ひそかに ほころぶ

「いらっしゃい」 「おかえりなさい」 ドアを開けたとき 歩き初めのちいさな靴のよこに “おじゃましてます”の わたしの靴がならんで居てもね、 すんなりと 腑に落ちるんだって あぁ 身内になったんだって しっくりくるんだって じぶんでもおどろきつつ もそもそ 上着を脱ぎながら そんなこと つぶやく…
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わらって わらって

わらって わらったお顔 みせて 肩にしがみつく ちいさな両手 こっち 向いて わらって わらったお顔 みせて まっすぐ とにかく まっすぐ ひたすら おかあさんは おひさま ちびは ひまわり そろそろ わらってあげて ちびが 待っているよ うなだれて しおれていくよ 振り向いて …
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さみしい かるた

帰り着いた夕暮れの つめたいポストのなかに 紛れていたかるた 一枚 さみしいの 『さ』で はじまる 惜別の 惜別の 惜別の…… 今年の賀状は 来なかった 『また 逢いたいですね』 なめらかな 懐かしい筆はこびの いつかを 決めない いつでもの こころもち もぅ ふたたびは ないことの…… あ…
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雪の降る日に

雪が降りてきた日の 静けさを 知っている 灯りを消した闇の ほの明るさも 知っている わたしの耳にもどる記憶 彼方から打ち寄せる淡い記憶 天井に向かって    なんども なんども ほぉっと放った 息の白さ たしかにわたし、 あの場所に居て あの頃を生きていた そっと降り積もる記憶の 愛しさを…
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さよなら 

ゆうべ 花散らしの風に吹かれて アスファルト道の上 長く 長く 白さざんか 走り過ぎた痕のこし 起き抜けに すこし高い窓から ほおづえついてね  毎年のお約束だから 引きとめることもできない どこまで 行ったのかな ドローンになって 追いかけてみたいな にほんブログ村
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はざま。

寝返りをして なんだか 眼が冴えてしまった まだ 明けやらぬ闇の向こうを  ぼんやり 探していた  昨日 日陰の からっぽの植木鉢のなかに みつけた  名残の雪をおもいだした つめたく不透明に かたくなな冬が うずくまっていた たちあがって 見まわすと 湿った土の あちらこちらに 飛来したポピーの …
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むかし むかし……、

いそがしいね いそがしいね あっちにも こっちにも あたらしいことが たくさん 気になることが いっぱい あれはなあに? なんのおと? なんのにおい? さわりたい つかみたい たしかめてみたい ころがしてもらえば せかいは 変わる でも…、 まだまだ ひとりじゃむり いそがしいね いそ…
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STORY BOX

夕食のあとの カフェで わたしたちは また  それぞれのカバンを開けて ちいさな円いテーブルのうえ 珈琲カップ ふたつの隙間を ひとつ  また ひとつ 取り出して ならべていく  乱雑に 散らかしていく 「当たらなかったね」 と、 天気予報のBOXを開ければ 話しているそばから ガラス張りの窓際の温…
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週末の着地

PCの電源を落として  セキュリティの首輪をはずして 重たいドアを開けると そこはもぅ 暮れて海のなか 蒼い蒼い 深海を おおきく 息を吸い込んで およいで いく 光がなかなか 届かないから 誰かが沈めた ▲コーンで おもいきり 前のめり 手もついて 膝もついて あぁ たしかに 知っていたよ 等間隔にね …
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余命

夜風は からだにわるいけどね 窓を開けたままね すだれの風にねじれて かすれる音 遠く潮騒 さざめいて揺れて あぁ 泣きたい時は やっぱり 海がいいね 眼を覚ませば 蒼い夏の朝 すべるように 舟は出ていく 墜ちていく呼吸のまえに なんと ことばをかけようか ことばを さがす  ことばを なく…
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今日も夕暮れ

冬枯れの萱をまくらに 橋のした 流れの帯は しずかに 続いていくよ 水鏡の面が ちりめんにひずむから 微かに 映る空の表情が 変わるよ 折々に 木彫りのような水鳥の群れが いくつも いくつも まあるい輪っかを つくっているよ つめたい水のなかで 忙しくうごいている 水掻きに眼をこらすよ 遠く …
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