秋の終わりの 指先が冷たくなった朝 ひっきりなしに聴こえている カラカラと カカカカと その折々に手を止めて 顔を上げてしばらく 見つめている ただ見届けている 公園の傍らのいつもおとなしい樹が 秋の終わりを知らせている 葉を朝焼け色に染めて カラカラと 乾いた葉でアスファルトを叩いている 風にカカカカ…と転がって ポストの下… トラックバック:0 コメント:0 2020年11月11日 続きを読むread more
霧の朝には 陽が昇る前の うっすらと明るい山の端が好き 闇が明けていく ほおっと肩をおろす カーテンの隙間のガラス越し 信号がぼやけている フォグランプを点けて車が走っている ああ霧の朝だ 胸が逸る 窓を開ければスルスルと流れ込んで 部屋じゅうが ぼんやり なにもかも霧に融けてしまえ 手探りしたら ほんとに大切なものだけ… トラックバック:0 コメント:0 2020年11月09日 続きを読むread more
かならず日は昇るのに 舞い降りた命をあたためるひとと あたためていた命を空に返すひと 一日のうち ふたつの命のやりとりに触れる あたらしい命を護るあなたと 護り続けた命を手放すあなたと ひとは愛しくてかなしい ひとは優しくてさみしい 誰かのためにたいせつな命じゃない じぶんのためにたいせつな命だ だからどうか 誰かのた… トラックバック:0 コメント:0 2020年09月27日 続きを読むread more
おぼろげでいて たしか ひんやり 刷りたての新聞を小脇に 足もと ガザレアが首をもたげて光を探っている 咲こうか 咲くまいか しゃがんで 「おはよう}って言うと、 腕に背中に たんたんと梅雨は降りてくる そんなに嫌いでもないよ 雲がたちこめた空でも お盆に乗せたようなこんもりお山 鈍色に映る鏡田 ジオラマ360° ガタン ゴトン … トラックバック:0 コメント:0 2019年06月09日 続きを読むread more
さよなら ゆうべ 花散らしの風に吹かれて アスファルト道の上 長く 長く 白さざんか 走り過ぎた痕のこし 起き抜けに すこし高い窓から ほおづえついてね 毎年のお約束だから 引きとめることもできない どこまで 行ったのかな ドローンになって 追いかけてみたいな にほんブログ村 トラックバック:0 コメント:0 2017年01月14日 続きを読むread more
はざま。 寝返りをして なんだか 眼が冴えてしまった まだ 明けやらぬ闇の向こうを ぼんやり 探していた 昨日 日陰の からっぽの植木鉢のなかに みつけた 名残の雪をおもいだした つめたく不透明に かたくなな冬が うずくまっていた たちあがって 見まわすと 湿った土の あちらこちらに 飛来したポピーの … トラックバック:0 コメント:1 2014年02月10日 続きを読むread more