愛しいひとりぼっち 中央公園の ゆるやかなスロープを上がれば 寝そべった山々と街並みが見下ろせる 秋の陽とわたし 土はアイボリーにあたたかく 石ころを乗せている ああ いい日和だ すてきなひとりぼっちだ 揺れるのをわすれたブランコに (乗ってみたらいいじゃないか)と もうひとりの私がささやく ひとりぶんの板きれ 二人乗りをしたこと… トラックバック:0 コメント:0 2020年10月02日 続きを読むread more
さみしい かるた 帰り着いた夕暮れの つめたいポストのなかに 紛れていたかるた 一枚 さみしいの 『さ』で はじまる 惜別の 惜別の 惜別の…… 今年の賀状は 来なかった 『また 逢いたいですね』 なめらかな 懐かしい筆はこびの いつかを 決めない いつでもの こころもち もぅ ふたたびは ないことの…… あ… トラックバック:0 コメント:0 2017年01月19日 続きを読むread more
週末の着地 PCの電源を落として セキュリティの首輪をはずして 重たいドアを開けると そこはもぅ 暮れて海のなか 蒼い蒼い 深海を おおきく 息を吸い込んで およいで いく 光がなかなか 届かないから 誰かが沈めた ▲コーンで おもいきり 前のめり 手もついて 膝もついて あぁ たしかに 知っていたよ 等間隔にね … トラックバック:0 コメント:0 2014年02月02日 続きを読むread more
今日も夕暮れ 冬枯れの萱をまくらに 橋のした 流れの帯は しずかに 続いていくよ 水鏡の面が ちりめんにひずむから 微かに 映る空の表情が 変わるよ 折々に 木彫りのような水鳥の群れが いくつも いくつも まあるい輪っかを つくっているよ つめたい水のなかで 忙しくうごいている 水掻きに眼をこらすよ 遠く … トラックバック:0 コメント:0 2014年01月28日 続きを読むread more
夕暮れのターミナルにて エンジンのおと、 つよく よわく 帰り人を待つ バスの箱はね、 ステンドグラスみたいに やさしく 浮かび上がっているよ とおいむかし、 扉が閉まるまでの つかの間 (もぅ 行きって) (ううん、出るまで) そんな 身ぶり手ぶりの あの やさしいひとは どこ行きのバスに乗ったんだろう… トラックバック:0 コメント:0 2013年09月03日 続きを読むread more
夕暮れのホームにて やわい 風にも揺れるよな か弱い こよりのたよりなさに つい 無防備でいてしまうとね、 虚を突くように 小菊の花が いくつも いくつも弾け散る 息もつかせぬ攻防に 持っているのが たまらなくなる 夕暮れの モノクロな水たまりに 降り注ぐ雨 いくつも いくつも… あの夏の日の 線香花火 … トラックバック:0 コメント:0 2013年09月03日 続きを読むread more
過度な期待は地雷を踏む。 夜明けの5時までやってるワインバーの隅っこで、 ひさしぶり ともだちと たそがれる。 ほろほろと、 互いの胸のすきまから こぼれおちるもの、 テーブルに散らかして 人を想うことの はかなさを 空っぽのお皿に盛って ふれあいたくて、 わかりあいたくて、 つながりたくて、 ありったけの きもちを 贈る。 … トラックバック:0 コメント:4 2012年04月15日 続きを読むread more
春の童話。 夕暮れは、 ゆっくり そっと さくら 春の姿をして、 さりげなく微笑んでいる。 しろい壁をせなかに 淡くぼやけて なじんでとけて もうすぐ、 たしか そこに立っている記憶だけになる。 霞んで 霞んで なごりの陽をせなかに 影になって浮かんでとけて そのうち、 たぶん そこに立っていた記憶だ… トラックバック:0 コメント:2 2012年04月10日 続きを読むread more