スーパームーン

「階段の灯り またつけっぱなしだよ。」 「あっ ごめん。」 あなたは思わず謝るけれど いつだったかな  わたしが暗がりで 階段につまずくんじゃないかって消せないって それからわたし こたつがつけっぱなしでも ホットカーペットがつけっぱなしでも そうか そうか って なんにも言わないことにしたんだ なにもかも 一辺…
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空につぶやく

心配ごと 眠れない時は ふとんのなか  膝を胸にくっつけて まあるくまあるくなって そう 体育座りのまんま ころがるみたいに 指のさきで くちびるにそっと触れてみる あったかい…… ほっとして そうしてちょっと眠くなる おかあさんのおなかのなか もどったようで ある日 とつぜん 地球に生まれて 大きく息を吸った…
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桜 ひらいて笑う

桜待ちをしていた 車を走らせ 父が眠る桜下庭園へ向かう 道すがらは 桜桜桜…春があふれている 閉じこもりがちだったから 突然 眼が覚めたようだ ここにも居ますよ  わたし桜だったんですよって いつも見過ごしてしまう車窓に 次々と現れて 笑っている 山ふかく トンネルを抜けると 時間がゆっくり流れ始める …
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別れを惜しむ

読みかけの本に栞をはさんだまま 逝ってしまわれた方たち 続きが読めなくなることなど 思いもよらなかっただろう 今年のエイプリルフールは嘘をつく気になれなかった ずっと なにもかも錯覚で そのうち ごめんごめんって 種明かしをしてくれないかと思ってる もぅ いいじゃないか 気が済んだだろうって 視えない誰かに 言いたくな…
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たからもの入れ

お陽さま色をした缶だったから 選んだんだよ 開けたら しましま帽子のピエロのサブレ わぁって 瞳がキラキラ輝いた 缶カンはたからもの入れに変身して ずっと ちびのそばに居る ちびを明るく照らしてくれる そんな 願いをかけたんだよ ひな祭りに お団子をいっぱい詰めて贈った その空き箱が ちびちびのたからもの入れに…
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おなかが空いたよ

あっ おなかが空いてきたな もうだいじょうぶ 今日のわたしはきっと元気だ だって おなかが空いたから あんしん あんしん かなしいで  おなかがいっぱい さみしいでも おなかは満ぱい もうなんにも 入らない おなかが空くなら だいじょうぶ なにを作ってたべようかな 空き過ぎて 動けなくなる前に よ…
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ほんのひととき

うたた寝をしたまんま 白い朝がきていた お隣の雨どいのどこか 朽ちているのか ひっきりなしに溝板を叩く音がする あぁ ちょっとだけ静かにして 考えないと 停止したアタマで そろそろと立ち上がり 顔を洗う あっ 今だ 泣いてしまえ そうだ 濡れているからわからない それより 庭へ出て行けばいい 空を見上げて …
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掘り出しもの

角っこの野菜市場の コンクリート打ちの床に 旬の野菜やくだものが ところ狭しと並んでいる ざるに乗せられて 袋に詰められて ごろごろ ごろごろ 踏まないように隙間を縫って どんどんカゴに入れていく 「野菜みてたら なにより嬉しそうだなあ。」 そう もぎたての野菜がなにより いっぱい元気をいただけるから   …
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泣いたって

あれは いくつの頃だったかな 母の鏡台の前にペタンと座り おおきな声で わんわんと 聞こえるように泣いてみた 母が 居なくなってしまうこと いつか逝ってしまうこと 聞いて おどろき慌てふためいて 泣いたらどうにかなるだろう わんわんと わあわあと けたたましく泣きながら 鏡のなかでいそがしそうに 行った…
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他愛ないこと

寝起きで あなたのつむじの髪の毛が ピンッと そらを向いているのが とにかく おかしい そのまま 神妙な顔をして テレビのニュースに 真顔でコメントしてるのが とにかく おかしい むかしなら 鏡に映したり 見せるのに苦心したけど いまは スマホで撮って ひとしきり ふたりでわらう そんな他愛ないこと …
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あなたの瞳

あなたの瞳をみていると あなたの胸の内がみえる 愉しんでいるのか 憂いているのか 夢中なのか 醒めているのか 言葉だけで量れない もっともっと中心の あなたのほんとが映っている 光のとどかない深いところ 感覚だけが際立って 瞳の色は褪せていく そんなところにずっと居て 生きていくための 爪ばかりを研が…
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お留守ばん

お向かいのおばあちゃんが 雨戸を引いて カーテンになるのが 毎朝 だいたい十時半 去年の春に おじいちゃんが逝かれて ひとり暮らすおばあちゃんに 母が重なり いつもなにかと気になってしまう 雨戸は開かなくなって しばらく 門の前の葉ボタンは タワーみたいに徒長して 椿は大輪でいくつも 梅はぽちぽち可愛くて …
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立春大吉

夕べ  ヒイラギの枝にいわしのアタマ 恐がって 鬼は来なかった 豆は美味しくて食べきっていたから ほっとした 明けて 空は透けるように蒼く 見張るかす山の端がクッキリとしていた 新聞をとって 玄関先の落ち葉を掃いて 昨日乾ききらなかった洗濯物を干した 『立春大吉』 彼が書いた文字を玄関に掲げて 大きく…
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ふたりの周期

もう 駅の灯りが視えてきたよ もっともっと なにか 話していようよ さよならのスレスレまで ずっと 手をつないで 急いで 急いで “ありきたりじゃないの 変わったおもしろいの“ じゅもんみたいに 呟いてる がんばれ がんばれ 飛んできたのは やっぱり 『リンゴ!』 そう そこからね 焦る…
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淡き淡き夢

真夜中に 珈琲を点てると 部屋中が すっぽり珈琲カップに沈んだ 髪も顔も 珈琲に浸りながら モモンガのように うつ伏せで 倒れていた 床に深くめり込んでいきそう 舞い込んだニュースのゴシップ記事の 虚しさによろけた 仲良きことが美しかったから 凛として 清々しかったから なんだかなぁ。。。 と、つぶやい…
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顔を上げて 空をみて

10年間は、 ただただ教えられるまま習って 10年後から、 じぶんのものを探して ほぅ……… 10年 太極拳の先生のお話は しずかに胸のなかにおちていく 10年 果てしないようで遠く 10年 それでいて うれしく 明日がわからない毎日に居て、 10年後の約束をする ただ素直に ただ ただ…
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接点……触れ合うところ

展望デッキから視えたのは 空を削りそうなほどの ビルのせいくらべ バンドエイドみたいに 幾つも架かる橋 窓ガラスに映る 私に気づきながら 見遥かす風景に 何度もシャッターを切った 川の流れの行方を追って 海に注ぎ込むのを見届ける あぁ ほんとに 海に向かうんだ 眼を閉じて 川と海が溶け合うとこ…
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待ちぼうけ

今日は一日曇り空だって FMは知らせてくれたけど、 ドアがすこし開いたみたいに 床が明るく照らされた時 こんなハズレはうれしかった ふゆの日の こぼれ陽射しは あたたまる 読み上げられた歌の名前に 風景がすこし揺らいでみえた 耳心地のいい声が聴こえる 引き出しのなか 日に焼けて まるまった 懐かしい…
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探しもの

迷路だ 迷路だ 出口のみつからない迷路 高い壁 石ころだらけの砂利道 もやもやの煙り立ちこめる 泣きべそとさんかく座りだ 白旗を脇にかかえて いつでも挙げられるけど、 ループ ループ…… まだ こころがあきらめてない 抜け出せない 眠れない タイムマシンに 時を遡るイツデモドア はやく 連れて行って…
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いつも誰かと

ひとり ふらりと 映画を観る おかしくて 思わずアハハと笑う 一時にアハハの波が巻き起こり、 スクリーンに打ち寄せる 「さん はい! 」って誰かが 掛け声かけたわけじゃないのに おなじ歌を歌うみたいに あの瞬間が とてもたのしい ひとり ふらりと 旅に出る 「右手をごらんください。」 ガイ…
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