おぼろげでいて たしか

ひんやり　刷りたての新聞を小脇に
足もと　ガザレアが首をもたげて光を探っている
咲こうか　咲くまいか
しゃがんで　「おはよう｝って言うと、
腕に背中に　たんたんと梅雨は降りてくる

そんなに嫌いでもないよ
雲がたちこめた空でも

お盆に乗せたようなこんもりお山　
鈍色に映る鏡田
ジオラマ360°
ガタン　ゴトン　ガタンゴトン
するする　くるくる
揺られて滑っていく

ここに居るけれど
わたし
いまも　そこにも居るよ

電車の窓　もたれて視ていた
学生かばんを　かかえて

夜更かしして　けだるい朝
ちいさなことが
とても　とても　深刻だった
護られていた頃のわたし

はなれても
いとおしい　ふるさと
そして。。。



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